21歳。3週間後に結婚を控えていた。
1994年2月19日13時10分、前田ひとえさん(仮名)は、勤め先での最後の仕事終え退社。そのまま行方不明になった。
愛車は市内に放置されており、所持品が全て車内に残されていたほか、車体に中傷の落書きがあった。
― 不審な伏線 ―
1月25日
後に発見されたひとえさんの手帳に、この日の日付で婚約者の愛人に関するメモがあった。
2月19日
職場にひとえさん宛てに女性から電話がかかる。時計を見ながら何かを話していたのを同僚が目撃。
同日13:10
ひとえさん勤務先を退社。これ以降の足取り、不明。
― 奇妙な電話 ―
翌年(1995年)1月4日、実家に中年女性から電話がかかる。
妹 「はい、前田です」
女 「もしもし」
妹 「はい」
女 「おねえちゃんだよ」
妹 「はいっ?」
女 「おねえちゃん」
妹 「誰ですか?」
女 「おねえちゃんだよ~」
妹 「どちら様ですか?」
女 「ひとえです」
妹 「はぁ?」
「… … ガチャン」
電話の相手は明らかに中年女性と分かる声。
警察が調べたところこの電話は、公衆電話からの入電だったという。
この声の主がひとえさんの手帳にあった「婚約者の愛人」なのだろうか。
だとしたらどうしてこんな「危険」な行動をとったのか。ひとえさんはいまも発見されていない。