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恐怖の殺人の真実

女子短大生切断遺体事件

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女子短大生切断遺体事件

2006年12月30日午後、渋谷区富ヶ谷。NHKからほど近い都内屈指の高級住宅地で事件は起きた。 その日、歯科医師を営む一家の家には予備校生の次男(当時21歳)と短大生の長女(当時20歳)の二人がいた。両親と大学生の長男は帰省中だった。

二人は家族や生活態度などについて1時間に渡り話し続けた。それはよくある兄弟喧嘩だった。 しかし長女の「兄さんには夢がない」という言葉で事態は一変する。 次男は逆上し、木刀で長女の頭を殴りつけた後にタオルで首を絞め殺害した。 さらにノコギリで長女の体を首や腕、脚の各関節部分を中心に15ヵ所をバラバラに切断した。

翌日12月31日から次男は予備校合宿に参加していた。出発前に帰省していた父親に「友人からもらった観賞魚のサメが死んだので、においがしても部屋を開けないで」と話すなど事件の隠ぺい工作をしていた。 翌年1月2日深夜に両親と長男が帰宅。3日午後9時ごろ、妻が異臭に気づき、長女の部屋でバラバラに切断され袋詰めの遺体を発見した。 午後10時半ごろ、父親が警視庁代々木署に届け出た。1月4日になり、次男が死体損壊の容疑で逮捕された。1月15日に殺人の容疑で再逮捕された。

― 次男の逮捕 ―
殺害された長女は明るく、自由奔放な性格だった。目立ちたがりな部分もあったが、女優として舞台やVシネマに出演するなど努力家でもあった。 しかし開業医の両親、歯科医を目指す子供達の中ではどちらかというと特別な存在だった。
また歯学部に進学して歯科医への夢を叶えつつあった長男、女優への夢を持っていた長女の狭間で、次男は3度の大学受験失敗により、過度のプレッシャーを感じていたのではないかとも言われている。
後に両親が次男をかばい長女を批判したとも取れる手記を発表し物議をかもした。両親は裁判でも弁護側証人として出廷している。

2008年5月12日、東京地方裁判所で行われた公判で、検察側は「完全責任能力があった」として、懲役17年を求刑した。 同年5月27日に行われた公判では弁護側が主張した被告人が多重人格で死体損壊時は別人格であったということを認め、殺人に関しては有罪と認め、懲役7年、死体損壊に関しては無罪の判決が下された。しかし、2009年4月28日、東京高等裁判所で行われた2審判決では1審判決を破棄、さらには被告人の多重人格を否定し死体損壊の責任能力を認め、懲役12年を言い渡した。 2009年5月9日、2審判決を不服として、弁護側が最高裁判所に上告、2009年9月16日、最高裁判所で2審判決を支持、上告を棄却、懲役12年が確定した。

マスコミはその猟奇性をこぞって取り上げ、次男の異常性を強調するような報道を行っていた。 またこの事件と同時期に発生した猟奇殺人「セレブ妻バラバラ事件」の殺人現場と、この事件の現場はわずか数百メートルしか離れていなかった。

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