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恐怖の殺人の真実

マッド・ブッチャー

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マッド・ブッチャー

1935年、アメリカオハイオ州クリーヴランドのキングベリー通りのスラム街にて、ズタズタに切り裂かれ、首の無い死体が2体ほど発見された。
被害者はどちらも男性で、ひとりは20代、ひとりは40代くらいだった。しかし首がなく、遺体の損壊も激しいため、身元の判定は困難だった。

そして2体の遺体が発見された4ヵ月後、前回からさほど遠くない場所で、今度は女性の首の無い死体が見つかった。
手口は以前発見された時と同じで、死体はズタズタに切り刻まれ無残な姿になっていた。

首無し事件はさらにエスカレートしていった。
翌年には同地区で3体の首なし死体が発見される。
被害者はすべて男性、犯人の手口は残虐さを増していた。
中には人間の原型をとどめないほどバラバラに解体されているものもあった。

― 次々とおこる猟奇殺人 ―
翌年も事件は起きる。
こんどは被害者は女性だった。頭部は無く、身体は人間の姿をしていなかった。それほどまでに徹底的に解体され、肉塊となっていた。
次の被害者も女性だった。バラバラにされて麻袋に詰められ、橋の下に無残な姿で放置されていた。
その後に発見された9人目の男性遺体も、バラバラに解体されていた。
事件は翌年も続き、女性2人と男性1人が首が切断されたバラバラ遺体として発見された。

― エリオット・ネスの登場 ―
この猟奇殺人事件を担当したのは誰であろう、アンタッチャブルの主人公エリオット・ネスだった。
アル・カポネとの頭脳戦で一躍有名となった彼は、この犯人(メディアはマッド・ブッチャーと呼んだ)に大胆な戦線布告をした。
なんと彼はスラム街の住民を避難させ、娼婦や浮浪者が集まる一角を焼き払ったのだ。 これで犯人のテリトリーは奪われることになった。

そして犯人の絞込みに入った。
彼のプロファイリングによれば「犯人は、大男で威圧感があり、死体を運搬する車を所持、人通りの少ない場所にひっそり1人で住んでいる金持ちの同性愛者」
丁度、彼が描いたこの犯人像にぴったりの男(大男、インテリ、同性愛者、金持ち)がいた。容疑者として、任意同行を求め警察で取調べを始める。

この大男は同性愛者で、偏屈な妄想症、そして資産家であった。
しかし男は警察が証拠を見つけ出す前に精神病院へ収容され1年後に病院内で死亡した。
ネスはこの男がマッド・ブッチャーであることに絶対の自信を持っていた。しかし立証することができず、マッド・ブッチャー事件は「未解決事件」となった。

尚、その男の死後、マッド・ブッチャーによる猟奇殺人は2度と起こらなかった。

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