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恐怖の殺人の真実

リリアン・ステュワート

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リリアン・ステュワート

―浮気の代償―
1986年夏、ロサンゼルスに住むデニス・ロングトンという離婚歴のある女性の自宅が、大音響と共に爆発した。彼女の遺体は23個もの破片となったが、集められ検死のため警察に運ばれた。

捜査がはじまって一時間ほどでテロリストの仕業ではないこと、電気やガスの異常ではないことも判明した。外部からなんらかの爆発物が仕掛けられたらしいことが明らかになった。

第一の容疑者として前夫が疑われた。

「わたしを疑ってるんですか?だったらラリーをあたってみたほうが早いですよ。」

警察はただちにラリーの身元を調べた。広告代理店勤務のエリートで、死んだデニスとは2年越しの不倫関係であることが判った。

犯人特定の捜査を進める一方で、爆発物の入っていたと思われる小包が綿密に調べられた。爆発の規模からニトロタイプのダイナマイトが5本入っていたと推定され、平らな箱に入れられたとまで判明した。

捜査員たちは邸内を這いずりまわって、100個以上にのぼる箱の破片を集めた。箱をつなぎあわせてみると、内側にクレヨンで落書きされた子供が書いたと思われる字と絵が見て取れた。そこにはティナ、という文字も読み取れた。ティナとは、浮気相手であるラリーの2番目の娘だった。

捜査官は再びラリーの自宅を訪ねる。 出迎えたのは、ラリーの妻、リリアン夫人だった。背が高く知的な瞳をした美人で、こんな人がどうしてあんな俗物と結婚したのか、捜査員は内心で首をひねった。

彼女の側にいた末娘が、爆弾の入っていた箱の写真を見て
「おねえちゃんの筆箱!」
と叫んだ。

夫も出てきたが、捜査員は
「離れた所でお話をお聞かせください。」
と懐柔し、夫と子供を残して捜査員とリリアンは応接室へ入った。

―明かされた犯人―
夫人は静かに
「もうご存知かもしれませんが、デニスにあの箱を送ったのは私です。」
と自白した。

「子供のいらなくなった筆箱にゼリグナイト(ニトロタイプのダイナマイト)を詰めて送りました。箱が再現されるなんて思ってもみませんでした。」

捜査員がその爆発物を送った理由を尋ねると、少し考え込んだ後に、この2年間というもの、リリアンはデニスに憎悪していたこと、思い余ってデニスが夫に宛てて書いたラブレターの束を持って、もう夫に会わないで、とデニスに手紙を突きつけたこと、彼女がそれを拒否したので、リリアンはその手紙の束が彼女の目の前で爆発すると脅したことを静かに話した。デニスはこれを単なる脅し文句ととったが、それは現実となった。

リリアンは悲しげに目を伏せたまま話を続けた。

「うまくやれる自信もありましたが、反面どうなってもいいという気持ちもありました。たとえあの女がいなくなっても、これから先何度も同じ思いをするだろうということもわかっていました。でも私は彼をまだ愛しているんです。彼にとって私が必要でないということが、とても悲しいわ。子供たちと会えなくなるのは、きっと辛いでしょうね。」

―殺人者の幕引き―
第一級謀殺で、彼女は終身刑となった。

結婚前、日本の電子機器メーカーで上級技術者として働いていたリリアンは、模範囚として電子機器作業場の特別プロジェクトに参加が許された。

評決から2年後、夫のラリーはダンサーと再婚した。その半年後、末娘が轢き逃げされて死亡したが、犯人は検挙されなかった。

その年のクリスマス、彼女は10日かけて作った器具を、携帯用の血圧計だと言って看守に見せた。看守がその出来栄えを誉めて5分もしないうち、聡明なリリアンは器具から伸びる2本の電極を頸部に当てて、感電自殺した。

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