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恐怖の殺人の真実

姫路2女性殺人事件

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姫路2女性殺人事件

2005年1月、兵庫県姫路市。 当時23歳の女性会社員Aは「ウエダコウイチ」と名乗る男を自宅に連れてきた。 女性会社員Aは「ウエダコウイチ」を鉄工所を経営する資産家の息子と紹介した。 しかし父親は「ウエダコウイチ」の容貌が堅気に見えず、不信感を募らせた。 父親は男の写真を撮り、車のナンバーを控えた。

女性会社員Aは次に友人である23歳の専門学生である女性Bに「ウエダコウイチ」を紹介した。 理由は「ウエダコウイチ」の経営する鉄工所に女性Bを雇ってもらうためだったという。

その後、女性会社員Aと女性Bは失跡した。 女性会社員Aの室内に現金がそのまま残されており、事件性を感じた女性会社員Aの両親は姫路警察署に相談に行った。

― 警察の怠慢捜査 ―
女性会社員Aの両親の相談に、警察は耳を傾けようとしなかった。 担当の刑事は「年間1200人もの捜索願が出ているので、相手できない」と相手にせず、さらには刑事が怒り、電話機を両親にむかって投げつけたり、書き込む欄がいっぱいになったとの理由で、調書を取るのをやめてしまったという。

姫路警察署に相談しても解決にならないと考えた女性会社員A両親は知人から、定年を目前にひかえた現職警官を紹介された。 失踪前に娘が自宅に連れてきた「ウエダコウイチ」の調査を依頼した。 元刑事であった現職警官は「ウエダコウイチ」と名のった男の自宅と本名がTであることをつきとめた。 そして姫路警察署に通報した。

両親と姫路警察署の署員2名はTの自宅へ向かい、任意で室内に入るが室内に女性会社員Aがいないことを確認した後、なんと姫路警察署の署員は帰ろうとしたのだ。 その時、女性会社員Aの母親が男の部屋に許可を取り室内に入ったところスタンガンや異臭、カーペットに血痕があること、意識がもうろうとした女性を確認したために再度姫路警察署の生活安全課の統括係長に確認させたが、結局異常が無いとして帰ってしまった。 そこで両親は現職警官を呼び男を調査した所、覚醒剤を打っているような反応を示したために現職警官が男を問い詰めた上に相生警察署へ通報、1時間半後に相生警察署が駆けつけ任意同行、翌日の1月30日に覚せい剤取締法違反により逮捕された。

逮捕から3ヶ月後の4月12日、Tからの供述により事件の全貌が明らかとなった。 1月7日、女性会社員Aと専門学生の女性Bは、就職の依頼のためにTと会い、2日後の1月9日に女性二人を殺害。遺体をバラバラにして海に捨てた。

男が殺害を供述するまで、姫路警察署は「女性は風俗で働いていたから失踪した。時間が経てば帰ってくるだろう」と名誉毀損の説明をし、一部マスコミがそれを信じて報道した。 5月10日、兵庫県警は男を死体遺棄容疑で再逮捕。5月20日には殺人罪で再逮捕した。遺体の一部も発見された。

同時に姫路警察の怠慢捜査、名誉毀損、暴言の数々、市民を守る役目とは到底思えない行動が公になり、日本中で批判が一気に高まった。 被害者の両親は「犯人は我々が捜査し見つけたようなものだ」と記者会見で答えた。 2005年12月、姫路警察署は職務怠慢を遺族に謝罪した。

Tは女性二人の殺人、死体損壊、死体遺棄容疑で起訴され、2009年3月17日、神戸地方裁判所姫路支部で死刑判決。 Tは即日控訴したが、2010年10月15日、大阪高等裁判所は被告側控訴を棄却した。

尚、海に捨てられた頭部などの遺体の一部は未だに発見されていない。

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